相続が発生し亡くなった人(被相続人)がどんな相続財産を遺していたのか調べていくうちに、被相続人が証券会社の口座を持っていた可能性が出てきた。しかし、多く存在する証券会社や信託銀行のどこに口座を作っていたか、はっきりとは分からない。どうやって調べたらいいのだろう・・・。実は、被相続人がどこの証券会社等に口座を保有していたかを調べる方法があります!
今回の記事では、証券保管振替機構(ほふり)に被相続人が証券口座の有無を開示してもらう方法について解説します。
目次
ほふりとは?
ほふりとは、証券保管振替機構を略した名称で、株式や社債、投資信託などの振替決済業務を行っている組織です。証券会社や信託銀行に口座を開設し、それらの金融機関を通じて、ほふりに加入している加入者の情報も管理しています。そして、ほふりは本人や相続人などから請求を受けたら、情報を開示する業務も扱っているわけです。
開示請求の方法、必要書類や費用は?
開示請求は、本人や代理人等も請求できますが、今回の記事では、相続人による開示請求を例にご紹介いたします。 まずは必要書類です。
① 開示請求書
証券保管振替機構(ほふり)のHPからダウンロードすることができます。基本、エクセルファイルでダウンロードして必要事項を入力するのですが、ダウンロードしたファイルを印刷して手書きで記載することもできます。
② 法定相続人の本人確認書類
今回は個人で請求する場合のものを紹介します。
- 運転免許証(運転経歴証明書)※両面をコピー!
- 各種健康保険証又は各種健康保険の資格証明書
- 個人番号カード(マイナンバーカード)※表面のみ
- 各種年金手帳または各種福祉手帳
- パスポート ※顔写真及び所持人欄のページ
- 在留カードまたは特別永住者証明書
- 住民票 ※マイナンバー記載なし/発行から6ヶ月以内
- 印鑑登録証明書 ※発行から6ヶ月以内
以上のいずれか1点をコピーしたものをご用意ください。
③ 法定相続情報一覧図または被相続人との関係を示す戸籍謄本(全てコピー!)
この記事をご覧になっている方の中には、不動産や預貯金の払戻手続きのために被相続人と相続人の戸籍を収集された方もおられると思います。どなたが被相続人であるかで集める戸籍の数も変わってきますが、戸籍の数の多さに驚いた方もいるでしょう。
しかし、集めた戸籍は、例えばひとつの金融機関の手続きで申請してしまうと、手元に戻ってくるまでに期間を要し、その間は他の手続きを進めることができません。
そこで、法定相続情報一覧図を利用する方法があります。法定相続情報一覧図は、戸籍謄本などに基づいて被相続人と法定相続人との関係を一覧にした書類で、法務局で交付を受けることができ、手数料はかかりません。
しかも何枚でも発行してもらえますので、被相続人が複数の不動産や金融機関に口座をお持ちだった場合は、法定相続情報一覧図を作っておけば大きな助けになるでしょう。ほふりでも法定相続情報一覧図を勧めていて、戸籍謄本を添付書類とする場合よりも手数料が安くなります。
④ 被相続人の住所を確認できる書類いずれか1点 全てコピー!
- 戸籍の附票
- 住民票の除票
- 本人確認書類
- 株主(被相続人)宛の株式関係書類(議決権行使書、配当金計算書等)
※ 住所確認書類は有効期限等が切れた物でも問題ありません。
以上①~④が必要書類になります。
注意したいのは、これらの書類は全て原本ではなくコピーを添付することです。ほふりでは事務処理の迅速化のため、原本還付という作業は行っていないので、間違えて原本を送ってしまわないように注意しましょう!
書類が揃いましたら開示請求に移るのですが、ほふりの開示請求は郵送でのみ請求することが可能です。下記が提出先になります。
〒103-0026
日本橋茅場町郵便局留 東京都中央区日本橋兜町7番1号
KABUTO ONE
株式会社証券保管振替機構 開示請求事務センター
開示手数料ですが、令和8年10月1日より料金が改定されますので改定前と改定後の金額を掲載します。
| 開示請求者の区分 | 改定前の開示費用(税込) | 改定後の開示費用(税込) |
| 本人 | 4,400円 | 6,050 円 |
| 遺言執行者 | 6,050円 | 6,050 円 |
| 法定相続人 ※法定相続情報一覧図の利用あり | 4,950円 | 6,050 円 |
| 法定相続人 ※法定相続情報一覧図の利用なし | 6,050円 | 7,700 円 |
手数料の支払い方法ですが、書類等に不備が無ければ請求された方の住所地に「登録済加入者情報通知書」が送付されます。その際に、郵便局員さんに代引きとして手数料を支払います。
開示請求から登録済加入者情報通知書が届くまでの期間は、およそ2ヵ月とされていますが、開示請求が殺到した場合は、それ以上に期間がかかる可能性もありますので、お急ぎの方は他の相続手続より優先して開示請求をされることをお勧めします。
登録済加入者情報通知書が届きましたら、通知書に記載された証券会社・信託銀行などに連絡して相続手続を進めていく流れとなります。
まとめ
今回の記事では証券保管振替機構(ほふり)の開示請求について解説しました。積立NISAなど昨今と比較しても株式投資をされる方が随分と増えてきたと感じます。
通常、被相続人が株式口座をお持ちだったかを判別する手段として、証券会社からの通知等を郵便物から探すのが一般的でしたが、ネット証券のように紙の通知をほとんど行わない機関も増えてくれば今後、ほふりを利用する方も増加するでしょう。
当事務所では、相続業務を主として扱っております。この記事を読まれて、やはりご自身で手続きを行うのは大変だと感じた方、お一人で悩まず、どうかご相談下さい!
