少し前まで日本人は投資に関心が無い人が多いと言われていました。しかしインターネットの普及、人口の高齢化が進む中で老後の生活を豊かにするためにと、株式・投資信託・社債等の金融商品への投資が盛んになっています。特に株式に関しては東京証券取引所が2021年に発表したデータによりますと、個人株主は5981万人まで増加しており、日本人の半数近い人達が株式の投資を行っているということになります。今後、相続が発生した場合、亡くなった方の財産に株式がある場合が多くなることが予想されます。今回の記事では相続財産に株式があった場合の手続きについて分かりやすくご紹介いたします。
1.相続財産に株式があるか調べましょう!
生前に被相続人が株式投資を行っていることを親族に伝えている場合は調査がスムーズに進むことが多いのですが、兄弟間の相続等、被相続人と疎遠だったため、被相続人がどんな資産をお持ちだったかハッキリしないケースがあります。
その場合は
- 被相続人宛に届いた証券会社からの郵便物を確認する
- 被相続人の銀行口座の取引を調べる
上記の方法でも証券会社が判明しない場合は「証券保管振替機構」という、証券を預かって保管してくれている機関がありますので、開示請求手続きを行うことで取引情報が記載された書類を郵送してくれます。
2.手続きを行いましょう!
亡くなられた方が取引していた証券会社が判明しましたら、証券会社に連絡します。担当者からは被相続人の氏名・生年月日・亡くなられた日等の情報を尋ねられますので、スムーズに回答できるように連絡の際は被相続人に関する情報をお手元に用意しておきましょう。その後、相続人宛に証券会社から相続手続きに関する書類が届きますので、必要事項を記載し必要書類を添えて証券会社に返送します。被相続人の株式の手続きが完了しますと相続人名義の株式口座に移し替える流れになるのですが、株式口座をお持ちでない相続人は新規で株式口座を開設する必要がありますのでご注意下さい。
必要な書類ですが、ほとんどの証券会社では下記の書類を求められます。
- 被相続人の死亡が確認できる書類(死亡届・住民票の除票・死亡の記載がある戸籍)
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍
- 相続人の現在戸籍
- 相続人の印鑑証明書
- 相続人の本人確認書類(免許証の写し等)
それぞれの書類については「取得してから~か月以内の物」と、書類に期限があることが多いので(特に④印鑑証明書は注意!)ここは念をおして担当者に確認しましょう!ちなみに①②③の書類は、「法定相続情報」を添付すれば省略できますので、証券会社の口座が多い場合は作成しておくとかなり手続きが楽になります。
以上の相続手続きが完了しますと証券会社から相続人へ通知が届き、証券会社により違いはありますが、およそ2週間~1カ月程で相続人の口座へ株式が移し替えられる流れになります。
まとめ
今回の記事では相続財産に株式があった場合の手続きについてご紹介しました。株式の相続手続きは通常の銀行口座の払戻し手続きより大変なケースが多くみられます。何故なら相続手続きに関する書類も専門用語が登場し株式に関心が無い人には何が書いてあるのかサッパリで、何度も証券会社の担当者に連絡して質問をする必要が出てくるでしょう。更に被相続人が投資に熱心な方だった場合、複数の証券会社に口座をお持ちのこともありますので、その場合、何度も慣れない手続きに時間と労力を割かれることになります。
ご自身で手続きを行いたくても書類の記載方法が分からない、忙しくて手続きを行えない、そんな方は当事務所をご利用ください。株式口座の相続手続きのお悩みを解決します。まずはご相談下さい!