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自筆証書遺言書保管制度とは?

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自書で作成した遺言書を法務局が保管してくれる「自筆証書遺言書保管制度」が令和2年7月10日から始まり、半年以上が経過しました。その間、制度の利用は約13000件ほどでコロナの影響を考慮したとしても、やはり多いとは言えないでしょう。制度そのものの関心や理解が少ないのかもしれません。そこで今回の記事では、自筆証書遺言書保管制度についてご紹介させていただきます。

自筆証書遺言書保管制度のメリット

思いを込めて作成した遺言書を作成したのはいいが

  • どこに保管しよう
  • 誰かに見られたらどうしよう
  • 遺言書を見つけてもらえるか

など様々な不安が生じると思います。

しかし自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、遺言書を法務局が長期間(遺言者の死亡の日から50年)保管してくれますし、遺言者の死亡後、遺言書の存在を相続人に通知するので見つけてもらえないリスクもありません。

自筆証書遺言書は通常遺言書が発見された場合、家庭裁判所の検認を受ける必要がある(期間は申し立ててから約1~2カ月)のですが、法務局に保管した遺言書はこの検認が不要になりますので相続人の負担を軽減することができます。更には申請時に法務局職員が法的要件を満たしているかをチェックしてくれますので、法的に無効な遺言書となることを防止する効果も期待できるでしょう。

民法第968条自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

法務局の職員は、遺言書の内容についての相談にはのることができませんので、少しでも内容に不安がある場合は専門家に相談されることをお勧めします。

遺言書申請の流れ

  1. 遺言書保管所の管轄を確認しましょう
    遺言書保管には管轄があります。遺言者の「住所地・本籍地・所有する不動産の所在地」を管轄する遺言書保管所になります。ご自身の管轄する遺言書保管所を知りたい方は下記にリンクを貼っておきましたので、そちらをご参照ください。
    http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00010.html
    ※リンク先:法務省HP
  2. 必要書類を用意しましょう
    自身の管轄が分かりましたら次は必要書類の用意です。そんなに大げさな物ではないのでご安心ください。
    必要書類
    ①自筆証書遺言書(ホッチキス止めや封はNG)
    ②申請書(あらかじめ記載をしておきましょう)
    申請書は法務省HPからダウンロードするか、法務局の窓口で取得できます。以下にリンクを貼っておきましたので、よろしければご活用ください。
    http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00048.html
    ※リンク先:法務省ホームページ
    ③添付書類(本籍地の記載がある住民票の写し ※作成から3カ月以内の物
    ④本人確認書類(運転免許証やマイナンバー等、顔写真付きの物をご用意ください)
    ⑤手数料(1件につき3,900円 ※この手数料は収入印紙で納めます)
  3. 保管申請の予約をしましょう
    「予約って何?」と疑問に思われた方も多いと思われますが、申請の前に法務局への予約が必ず必要です。

予約の方法

  1. 法務局手続き案内予約サービス専用HPから予約する。
    この予約専用HPは24時間365日予約対応を受け付けており、忙しい方には特に便利です。下記にリンクを貼りましたので、どうぞご活用下さい。
    https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/top/portal_initDisplay.action
    ※リンク先:法務局手続き予約サービスHPより
  2. 法務局(遺言書保管所)の電話による予約又は窓口における予約する方法。
    ※平日8:30~17:15(土日祝、年末年始をのぞく)
    電話の場合は混雑してなかなかつながらないこともあるでしょうし、窓口での予約も、今の情勢ではあまりお勧めできません。法務局も専用HPの利用を推奨していますので、こちらの方法がよろしいでしょう。

いよいよ保管の申請です!

書類を揃え予約も取れましたら、いよいよ申請です。以下に注意点を並べます。

  1. 必ず遺言者ご本人が予約時間にお越しになり、申請をする
  2. 窓口以外の申請は行っておらずオンライン、郵送申請は不可
  3. 予約時間を過ぎるとキャンセル扱いになることもある
  4. 必要書類が揃っていないと、申請は受理されない

以上の点に注意して申請しましょう。なお、一度法務局に保管された遺言書は、保管の申請の撤回(遺言書を返してもらう手続き)をしない限り返却はされません。保管した遺言書の閲覧は可能ですが、法務局に足を運ぶ必要がありますし、手数料(モニター閲覧1,400円、原本閲覧1,700円)が発生しますので、遺言書の内容をすぐに確認されたい方は、コピーをしておくべきです。

保管証を受け取る

申請が受理され、遺言書が保管されますと「保管証」が交付されます。この保管証は前述しました遺言書の閲覧、遺言書の撤回、変更届け出等の各種申請の添付書類になる他、相続開始時に相続人が遺言書の閲覧、各種証明書等の申請時にも使う重要な書類になります。そしてこの証明書は再発行されません。保管証がないせいで各種申請ができないということはないですが、手続きが煩雑になることは予測できますので、ご家族に保管証の存在を伝えておくなどして大事に保管して下さい。

今回は自筆証書遺言書保管制度についてご紹介いたしました。ここまで記事を読んでいただいた方、有難うございました。制度の利用を考えている方で遺言書の内容に不安をお持ちの方、当事務所にご相談下さい!

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