スマートフォンが浸透した現代、老若男女問わず様々な情報を指一本で簡単に検索できるようになりましたね。その効果か、遺言書に関する情報をインターネットで収集して遺言書を作成する人が増えています。
遺言書の作成方法にはいくつかの様式がありますが、ほとんどの人が気軽に作成できる「自筆証書遺言書」を選択しているでしょう。
しかし「遺言書はとりあえず完成したけど、自分が旅立った後、本当に遺言書通りに相続手続きが行われるのかな・・・?」
と、不安をお持ちの方もおられると思います。今回の記事では、遺言者の遺志を忠実に実行する、遺言執行者について解説させて頂きます!
目次
遺言執行者とは?
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。(民法1012条1項)
上記の民法の条文に記載されている通り、遺言者が遺した遺言の通りに相続財産を扱っていく仕事をする人を遺言執行者と言います。遺言執行者が就任していると、相続人といえども遺言執行者の遺言を実現するための業務を妨害することができなくなります。
ただし、いくら遺言執行者といえども相続手続き全てを行える訳ではなく、遺言の内容を実現するための行為に限定されます。例えば遺言の内容には預貯金に関する記載しかないのに、相続人のために不動産の所有権移転手続きを行うのはNGです。
繰り返しますが、遺言執行者は、遺言書の内容を実現するために必要なことを行うことができ、たとえ相続人でもその業務を妨害できないという強い権限を持っていますので、遺言書の内容を確実に実現させたい方は、遺言執行者を遺言で指定することをお勧めします。
遺言執行者の指定方法
遺言執行者は遺言書で指定する必要があります。遺言書に「遺言執行者として○○を指定する」と記載すればOKです。この際には遺言執行者に指定された人の住所氏名や遺言者との関係などを記載しておくと、誰が遺言執行者に指定されたのか分かりやすいので手続きスムーズに進むでしょう。
注意したいのが、遺言書で遺言執行者に指定された人には、遺言執行者になるかどうかを選択する権利があり、断られてしまったらそれまでになってしまうということです。遺言執行者は信頼できる人を指定する(行政書士などの専門家)か、遺言執行者の人数に制限はありませんので、複数の人を指定しておくのも良いかもしれません。
ご自身で遺言執行者を決められないという人は、第三者に遺言執行者を指定してもらうこともできます。その場合も遺言書にその旨を記載する必要がありますのでご注意下さい。
遺言執行者になれる人は?
遺言執行者になれる人の幅は広く
- 相続人以外の人
- 相続人
- 法人(会社)
上記の人・法人なら誰でも遺言執行者に指定することができます。しかし未成年及び破産者は遺言執行者になることができません。
まとめ
今回の記事では遺言執行者についてご紹介しました。遺言執行者は遺言書の実現のために強い権限を持っていますが、就職後は相続人とのやりとりや財産目録の作成など、行うべきことは多いです。当事務所では遺言書作成業務・相続手続きを専門で扱っています。遺言書作成についてお悩みの方、ご相談下さい!